一般的に漢方薬として処方される薬は「エキス製剤」と呼ばれ、煎じ薬を乾燥させ水分を飛ばしたものです。味や匂いが独特であるだけでなく1回の服用量も多いです。製造過程で圧縮成形後に破砕されたものは固い顆粒になりやすく飲みにくいと感じる方もいらっしゃいます。
ここでは漢方が苦手な方にオススメの飲み方をご紹介しています。お子さまでも飲みやすい方法もご紹介しています。是非一度やってみてください。
How to take
Chinese herbal medicine
2024/11/15
一般的に漢方薬として処方される薬は「エキス製剤」と呼ばれ、煎じ薬を乾燥させ水分を飛ばしたものです。味や匂いが独特であるだけでなく1回の服用量も多いです。製造過程で圧縮成形後に破砕されたものは固い顆粒になりやすく飲みにくいと感じる方もいらっしゃいます。
ここでは漢方が苦手な方にオススメの飲み方をご紹介しています。お子さまでも飲みやすい方法もご紹介しています。是非一度やってみてください。
「エキス顆粒」は本来そのままでも飲めるようにはなっていますが、お困りの場合に薬局などで相談すると「お湯に溶かす方法」を紹介されると思います。原薬となるエキス粉末はもともと100℃の温度で抽出していますので、お湯に溶かすことでの成分変化は心配しなくても大丈夫です。添加物のステアリン酸マグネシウムは水に不溶性なので下に沈む場合があります。その場合、上のエキスだけ飲む方法を紹介される場合もあるかと思います。沈殿は熱湯でも溶けないことがあるのであまり気にしないでください。
お湯に溶かすとお薬が入れ歯の隙間に入っても痛くならないメリットがあります。また温めることが目的の場合は、体が温まってより効果的になると考えられています。
窪田も実際にエキス顆粒で試してみましたが、先に口の中に水を含むことで漢方薬が直接舌に当たることがかなり減りました。さらに舌で顆粒を集めるようにしてから飲み込むとほとんどの顆粒を一度に飲むことができました。うまく飲めた時はほとんど後味も残りませんでした。一度お試しください。おすすめです!
下の「ポイント①」と「ポイント②」も併せてお読みください。タブで切り替えられます。
舌を丸めて、そこに入る量の水をためてください。そこに漢方薬の顆粒を入れてください。そのまま舌を丸めるようにして飲んでください。漢方薬の量や舌の大きさによって変わるかと思いますが窪田はこれでうまく飲めました。
先に口に中に水を入れておくとどうしても顎が上を向いてしまいます。飲み込むときにむせることがある方は顎を引いて飲むことをおすすめします。下を向くと喉頭口が狭くなり、薬や食べ物が気管へ入りにくくなり誤嚥を防ぐと言われています。
必ず水に濡らしてからご使用ください。またポイントと一緒に裏ワザもご紹介しています。タブで切り替えてご覧ください。
一般にフィルムタイプのオブラートには円形のものと袋状になっているものがあります。でんぷんで作られていますので水に溶けやすい性質を持っています。ここでは一般的な方法をご紹介します。
①オブラートに漢方薬を入れます。エキス顆粒は量が多いので2つか3つに分けてもいいです。
※うまく包めないときは袋状のオブラートがおすすめです。
②少量の水の入ったコップやお皿に入れます。その際全面が水に触れるようにしてください。
③オブラートがゼリー状になれば飲むタイミングです。(10秒~)
スルッとのどを通りやすくなっていますので、かまずに飲み込んでください。
スプーンですくって飲む方法もあります。
下の「ポイント①」と「ポイント②」、「裏ワザ」も併せてお読みください。タブで切り替えられます。
オブラートだけで飲む方法もありますが、うまく飲めない時は水と一緒に飲み込んでください。小皿に浅く水を入れ、そこにオブラートを浮かせます。小皿を杯のようにして水と一緒に飲むとうまく飲めると思います。
※ご注意ください!オブラートを水につけずに服用する方がいます!オブラートが口の中に張り付いてかえって飲みにくくなってしまいます!必ず水につけてから服用してください。
小皿に浅く水を入れ、そこにオブラートだけ浮かせます。その中心に薬を入れて周りから包み込みます。爪楊枝などを利用してできるだけ小さくたたんでください。小皿を杯のようにして水と一緒に飲むとうまく飲めます。
① 1回分の漢方薬と大さじ1杯程度(10mL~15mL)の水をカップに入れて電子レンジで加熱して溶かします。(500Wで20~30秒程度)
② そこにお湯と小さじ山盛り1杯のココアを入れます。飲み切れる量がいいので①と②の合計が50mLくらいが目安です。
漢方薬は味がそれぞれ違います。味はお好みで加減してください。
下の「カフェイン」と「ココア」、「電子レンジ」も併せてお読みください。タブで切り替えられます。
ココアに含まれるカフェインの量はコーヒーの1/6~1/3ほどで微量です。一般的に1歳以降であれば服用可とされています。また、子供向けに市販されているココア味の麦芽飲料でも代用できます。例えば「ミロ」のカフェイン量はコーヒーの1/10未満です。
普通に作ったココアに入れてもいいですが、できあがりが一度に飲み切れる量に作りましょう。ココアを2つに分けておいてお口直し用もあるといいと思います。
漢方薬を長時間電子レンジで加熱すると一部の成分の吸収が落ちたという報告があります。電子レンジの使用は30秒程度までにしてください。
■ダメだった時は麦茶もお試しください。
■窪田薬局で試してみたらオレンジジュースや野菜ジュース、コーヒーも意外といけました。お試しください。
吸収のことを危惧される意見もあると思いますが、そもそも飲めなければ話になりません。
■ミルクや好きな食べ物に混ぜるとそのものを嫌う原因にもなるので避けましょう。
■漢方薬の味に慣れてきたら水か白湯で飲む練習をしてみましょう。
■回数を踏んで慣れてくると意外と平気になってくることもあります。
薬局でよくいただくご質問について、私見ですが書かせていただきました。
Q
A
漢方薬の添付文書には食前または食間の服用とあり、処方せんの記載も圧倒的に食前や食間でのご指示が多いです。
「お腹がすいている時の方が吸収がいい」など諸説はあるようです。漢方薬を構成する生薬の吸収には腸内細菌が関与していて、いわゆる腸内フローラが重要で、食事よりも先にお薬が届いた方が腸内細菌が配糖体を分解しやすいと考えている方もいます。他にも「漢方薬と西洋薬は、別々に飲んだ方が相互作用が起こりにくい説」、「漢方薬に含まれる塩基性物質アルカロイドの毒性を消すために胃が酸性の食前がよいという説」、「漢方薬は食べ物の影響を受けやすい、食べ物と一緒にお腹の中にいれると悪心を引き起こす説」などが見受けられます。ですが、どれも後付けの理屈のようにも見えてしまいます。古来から存在する漢方薬は治験がありませんので仕方がないと思います。
そもそもなぜお腹がすいている時に服用するようになっているのかも根拠に乏しいようです。以前からの習慣でそうなっているとも言われています。西洋薬の登場とともに明治時代以降に食前という概念になっていったと考えている方もいます。
漢方薬は多くの生薬、そして多くの成分で構成されています。そのひとつひとつについて食前と食後で比較するのは困難を極めます。また、ひとつもしくは数種類の生薬や成分に当てはまっても漢方薬すべてに当てはまると考えるのは少々乱暴のように感じます。
今後、漢方薬の吸収についてより具体的な研究が進んでいくことを願っています。
処方せんの場合、薬局で飲み方の変更はできませんが、現時点では服用される方の生活に合わせた服用方法で定められた回数を服用していただくのもひとつの考え方かと思っています。
Q
A
お湯に溶かして服用すると効果的という科学的根拠に乏しいようです。
エキス製剤は煎じ薬を乾燥させ水分量を極端に少なくさせたものです。葛根湯のように名称の最後に「湯」とつく漢方薬は温かい煎じ薬を飲むものなので、お湯に溶かすと本来の飲み方に近くなると考えられます。しかし必ずお湯に溶かしてから飲まなければいけないということではありません。
また溶かすことで飲みやすくなったり、顆粒が入れ歯の間に入りにくくなることはあります。
ただし、電子レンジで長時間温めると一部の成分が減少したという報告もありますのでご注意ください。
よかったらこちらもご覧ください。窪田薬局を紹介しています。