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2023/11/7

坐薬の使い方

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   おむつ替えの姿勢で行ないます。

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   がんばるイクメンパパさん

  1. 使用の前後、必ず手を洗ってください。
  2. 赤ちゃんはオムツを替えの姿勢で行います。
  3. 坐薬の先や肛門にベビーオイルやオリーブ油、水をつけると無理なく入ります。
    油脂性基剤の坐薬は先を指で触って体温で少し溶かしてもいいでしょう。
  4. 包装から取り出しティシュペーパー等でつまみ、尖った方を先にして肛門に挿入します。
  5. 指の第1関節まで入れる感じで4~5秒押さえた後ゆっくり足をのばすと入ります。

カットする場合は中身を出す前に包装の上からハサミなどで切るようにしてください。
医師の指示で切って使う場合は先の尖った方から使い、薬のふくらみ部分を残すイメージで切るといいでしょう。
斜めに切った方が割れにくいという説もあります。
(冷蔵庫から出してすぐではなく時間をおいてから、カッターやハサミなど切るものをお湯で温めておいたら意外ときれいに切れるのではと考えています。いつか実験しますね)
お薬の用量にも幅がありますので、1/2とか2/3など厳密に切らなくても大丈夫です。
同様に切るときにうまく切れなくても大丈夫です。

坐薬を入れた刺激で、排便があることがあります。このページの下でその時の対応について触れています。便が出てきた際にどの程度坐薬が残っているかで判断しますが、詳しくはそちらをご参照ください。
坐薬を冷蔵庫から出してすぐ使うと冷たいままなのでより刺激が増します。使う分を先に出して準備しておくとよいでしょう。

赤ちゃんはおむつ替えの姿勢で両足を上げて行ないますが、幼児の場合はその姿勢だと抵抗する場合があります。その際は左側を下にして横向きに寝た姿勢、左側臥位(そくがい)で行なうとよいでしょう。

保管方法や注意

お薬豆知識

坐薬は室温で保管できるものもありますが、区別しにくいので原則冷蔵庫での保管をお願いしています。
冷凍庫(フリーザー)には入れないでください。
特に夏季は自動車の中が非常に熱くなりますので、車中に長時間置かないようご注意ください。 また帰宅したら早めに冷蔵庫に入れてください。
下記、小児でよく使われる坐薬の溶融点を記載しました。参考にしてください。
見にくい時は横にスクロールしてご覧ください。

医薬品名 基剤 溶融点
アンヒバ、アルピニー(解熱鎮痛剤)  ハードファット 約33.5~35.5℃(インタビューフォームより抜粋)
ナウゼリン(吐き気止め)
マクロゴール400、1500、4000、6000 約50~57℃(添付文書より抜粋)
ダイアップ(抗けいれん薬)
マクロゴール 4000、1540 マクロゴール4000 53~57℃
マクロゴール1500 37~41℃(参考)
テレミンソフト(下剤)
ハードファット 記載なし 参考として
テレミンソフト坐薬2mg 2~8℃保存
テレミンソフト坐薬10mg 室温保存(高温を避けて保存)
新レシカルボン(下剤)
軽質無水ケイ酸、大豆レシチン、ハードファット 33.0℃~36.0℃

坐薬には複数の規格があります

同じ名前の坐薬でも含量が違うものがあります。
兄弟姉妹がいる場合などは特に注意してください。体重によって規格が変わります。よく確認し間違えないようご使用ください。

大人の坐薬を子供に使うのは危険です。絶対に使わないでください。

複数の規格がある坐薬の中で小児でよく使われるアンヒバ坐剤、ナウゼリン坐剤、ダイアップ坐剤を掲載します。
()内は参考になるようにおおよその目安として記載しました。詳しくは薬剤師にご確認をお願いします。

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アンヒバ坐剤小児用50mg
(~約7.5kgまで)

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アンヒバ坐剤小児用100mg
(~約15kgまで)

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アンヒバ坐剤小児用200mg
(~約30kgまで)

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ナウゼリン坐剤10
(3歳未満)

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ナウゼリン坐剤30
(3歳以上)

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ナウゼリン坐剤60(成人用)

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ダイアップ坐剤4
(~約10kg)

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ダイアップ坐剤6
(~約15kg)

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ダイアップ坐剤10
(~約25kg)

複数の坐薬を併用する際の注意点

お薬豆知識

お子様の場合、解熱鎮痛剤と抗けいれん薬、または解熱鎮痛剤と吐き気止め等と2種類の坐薬を組み合わせて使うことがあります。
複数の坐薬を併用する場合、使う順番などによって有効成分の吸収に影響が出ることもありますので十分にご注意ください。

水溶性基剤の坐剤を先に挿入し、30分程度あけて脂溶性基剤の坐薬を使用します。

熱性けいれんでダイアップ(抗けいれん薬)とアンヒバ(解熱鎮痛剤)を併用する場合

まずダイアップを先に入れ、30分くらい経ったらアンヒバを入れます。
(ダイアップ坐剤:水溶性→アンヒバ坐剤:脂溶性)

吐き気止めのナウゼリンと解熱鎮痛剤のアンヒバ(アルピニー)を併用する場合

まずナウゼリンを先に入れ、30分くらい経ったらアンヒバ(アルピニー)を入れます。
(ナウゼリン坐剤:水溶性→アルピニー坐剤:脂溶性)

薬を溶かしている坐薬の基剤は大きく分けて
①水溶性のものと②脂溶性のものがあります。

①水溶性基剤を使用した坐薬

・ダイアップ(抗けいれん薬)
・ナウゼリン(吐き気止め)
・エスクレ(鎮静・催眠剤、抗けいれん薬)

主な水溶性の基剤
マクロゴール、ゼラチン他

②脂溶性基剤を使用した坐薬

・アンヒバ、アルピニー(解熱鎮痛剤)
・エポセリン(抗生物質)
・ワコビタール(鎮静・催眠剤、抗けいれん薬)
・テレミンソフト、新レシカルボン(便秘薬、※成人用)
・ボラザG、ネリザ(痔疾用剤、※成人用)

主な油脂性の基剤
ウイテプゾール、ハードファット他

■同じ特性の基剤の場合

ひとつめの坐薬を挿入後、坐薬の排出の有無を確認し5分あけてふたつめの坐薬を挿入してください。

■お通じの坐薬

他の坐薬と併用する場合は他の坐薬を先に入れ、十分に吸収されるのを待ち、1時間くらいあけてから入れてください。

坐薬をしたらウンチをしてしまった!!

■挿入後すぐで坐薬が溶けずに出てきてしまった場合

坐薬は吸収されていません。すぐにもうひとつ入れてください。

■挿入後少し時間が経っていてウンチの中に坐薬が見えない場合

坐薬が溶けて一部吸収されている可能性があります。
1時間くらい様子をみてください。効果が出てこない場合はもうひとつ入れてください。
(この場合、判断が難しいのでかかりつけの医師や薬剤師に相談してください)

■挿入後1時間くらい経っている場合

薬はほぼ吸収されています。効果が出るのを待ちましょう。

坐薬の効果が発現する時間と持続時間

以下に3種類の坐薬について効き目が出てくるまでのおおよその時間と効き目が持続する時間の目安を載せておきます。
あくまでも目安で、その時の状態によって変わることがあります。ご了承ください。
見にくい時は横にスクロールしてご覧ください。

商品名 効果が発現する時間 効果が持続する時間
アンヒバ、アルピニー(解熱鎮痛剤)  30分以内 約4時間
ダイアップ(抗けいれん薬) 15分~30分以内 約8時間
ナウゼリン(吐き気止め) 1時間~1時間30分 約7時間
テレミンソフト(下剤) 15~60分以内 早くて5分程度、遅くとも2時間以内に効果が現れることを患者に説明する旨記載あり
新レシカルボン(下剤) 平均18分(動物) 記載なし

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